この季節のおすすめ♪

気温が上がってますね。。。
そろそろ梅雨になるのでしょうか、
明日からは雨マークが並んでいます。
そんな今日この頃ですが・・・

アロマの話・・・
アロマテラピーに使用される「精油」とは、
植物の香料(匂い物質)を抽出したもので、100%天然のものです。

香りを楽しむ以外に、古来(紀元前)より防腐剤としても、感染症対策などにも用いられてきた歴史があります。つまり効果がなければすでにすたれてしまっているでしょうし、危険であればなおさらです。
安全である程度の効果があったとうかがえます。

エジプトのミイラが現代まで保存出来たのも精油の力によるものと言えます。
皆さんご存知のように人体は死後、腐敗します。ミイラは皮膚が残ります。
エジプトでは乾燥地帯ではありますが、防腐処理をしなければ(ミイラ以外の遺体は)土にかえり骨のみになります。
その防腐処理に使用されたのが精油のひとつなのです。

そして現代になって、
その効果を実証する為の実験や、もっと幅広く有効に活用する為の研究も盛んにおこなわれています。
心や脳への作用が分かってきて、心理療法や、認知症予防だけでなく症状の進行を止める為に使用したり、
自律神経の調整に使用されたり、なかには心理面に影響することから購買意欲を高める実験を行ったりもしているようです。

そうした研究のうちの一つで、
公益社団法人日本アロマ環境協会(AEAJ)のホームページにも出ている研究論文によると、
普段私達の周りに存在している(日常生活とかかわりの深い)5種類の菌
白癬菌(水虫など病原菌)、黒カビ(水回りに存在する)、青カビ(食品に)、ユーロチウム・シバリエリ(書庫などに)、黄色ブドウ球菌(傷口を化膿させる)
に対して、
20種類の精油の中から、制菌作用の高かった精油(上位)10個を、
新たに制菌作用を調べる(ハロー法を用いて)
ハロー法とは、シャーレ培地に筋を塗り精油を含ませたペーパーディスクを置いて、
       菌の繁殖を阻止した径の大きさを見る調査方法です。
詳しくはAEAJのHPに詳細が載っています(研究の詳細も出ています)
https://www.aromakankyo.or.jp/basics/literature/new/vol7.php

その結果、精油や菌の相関性により抑制出来たもの出来なかったものがありますが
全面阻止(38mm)~つまり菌が消えていた。制菌作用があったものが多くあったようです。

という事で、
まどろっこしい説明ではありますが、
アロマテラピーや、精油の存在は知っていても、
こんな効果があると知らないという方がほとんどなのではないでしょうか。

これから梅雨の季節になりますが、
精油を賢く使用して、暑くてジメジメの季節を乗り切りましょう♪

という事で、
この季節おすすめ精油♪
「ラベンダー」「ユーカリ」「ティートリー」が制菌作用が高いようです。

(他にも、シナモン、タイム、フェンネルなどもありますが、
スパイス類は好みもあると思いますし、精油になると粉のスパイスよりも凝縮され、癖も強めです。
知識として知っておいて、用途や好みで試してください。凝縮されたものは使用に際し注意も伴います。
よく調べて自己責任において使用を試してくださいね)

そんな訳で、
入手もしやすく使いやすいのが上記の3つになります。

水回りのお掃除に利用したり仕上げにスプレーしたり、
これからの季節は雨で部屋干しも多くなりそうですし、
カビ菌の発生を防止しましょう♪

他にも、
♦リフレッシュに、「ミント」や「レモン」を混ぜてもスッキリします。

♦網戸や窓ふきの際に、拭きあげるタオルなどを絞る時に、
「ゼラニウム」や「ミント」「レモングラス」等を混ぜるのもおすすめです。
虫を寄せ付けない作用が期待できます。
(ただ、精油は油分なので気になるようなら、スプレーを作って撒くか、
窓際にディフューザーを置くなどして香らせるといいです)
♦キッチンのゴミ周りの虫よけにも!

♦「レモン」等の柑橘類なら制菌作用だけでなくと油汚れにもいいですし、爽やかな香りでキッチンにもおすすめです。
気分もシャキッとして集中力もUPするので、お掃除やお料理もはかどるかもしれませんね♪

もちろん、こまめにキレイにしておくことが大前提ですが。。。

この季節、すでに湿度高めなので、
水蒸気によるデフューザーだと更に湿度を上げてしまうので水蒸気タイプでない物や、
暑いので、ウォーマータイプもきついですよね。

風だけで使用できるアロマディフューザーや
扇風機の前や後ろだったり、風の通り道に精油を垂らした器を置いておいたりしても
部屋全体に香らせることが出来ます。

梅雨時のジメジメ、カビ対策に・・・
お掃除だけでなくお部屋にもアロマを使用して、
リフレッシュもかねて、気持ち切り替えて
気分上げていきましょう♪♪

ミモザ整体院 HP http://sachi-seitai.jp

自律神経の調整にも!古代からの香り~フランキンセンス

アロマの話
前回の「香木」の時にも触れましたが、
今回は「フランキンセンス」という精油についてです。

アロマの世界では、「フランキンセンス」と言えば、
キリスト誕生の時に東方の三賢人からの贈り物の一つとして新約聖書に書かれているという事と、
アンチエイジングの為にシワ、シミ防止にいいという事が有名な話ですが・・・・

その歴史は古く、古代エジプトの時代までさかのぼり、
太陽神ラーに祈りをささげる時にも焚かれたと言われています。
宗教儀式で使用され、現在でも、ヨーロッパなどでも使用され、
東京でも使用されることがあるそうです。

エジプトでは治療薬としても使用されていたと考えられ、
また、ハーブやスパイスなどと一緒に脂肪などに練り込んだものを
頭にのせている女性が壁画にも描かれているそうです。
古代ギリシャやローマ時代の医学者も、
この古代エジプト時代の香料文化や植物療法に大きな影響を受けていると言います。

産出国の中東では生活に密接に根付き、
常に体にまとわせ、部屋中に香らせているようです。
その用途は、客人へのもてなしであったり、魔よけ・お清めの意味を持っていたり、
実用的に虫よけだったり、香り付け(香料をたのしむものであったり、
気持ちをリフレッシュするものであったりするようです。

せきゅが産出されるまでは、
国にとっても重要な産物であり、富をもたらすものとして
珍重されて来ました。
現在でもフランキンセンスの木を国が管理し、
収穫を許され、所有権も含め代々継承されていると言われます。

ペニシリンという抗生物質が発見されるまで、
人類が一番脅威を抱いていたのは、「感染症」であって
(その頃の人類の死亡原因No,1は感染症です)
その原因は「細菌」です。

フランキンセンスなどの香料は、木を傷つけた時に出る樹液です。
木は傷ついても、私たちのように動いて傷口を水で洗い流したりは出来ません。
その代わりに自らが出す樹液の中に含まれる殺菌成分で菌の侵入を防いでいます。

人間が、その殺菌成分を利用していたのは十分に納得がいきます。

そして、アンチエイジングにも一役買っているのもこれらの理由が考えられます。
人は年齢を重ねると栄養の吸収が低下します。
細胞の形成、つまり皮膚の形成が段々不十分になってきます。
それと同時に免疫力の低下も起こしています。
外部からの影響を守る皮膚の機能が衰えると外部からの影響を受けやすくなるので
しっかりガードする必要があります。
フランキンセンスの摂れる中東は砂漠地帯です。
木肌の乾燥を守る成分が含まれると容易に考えられるので、
フランキンセンスが、細菌からも、乾燥からもお肌を守ってくれると
考えられるのです。

そして香りの成分が安らぎを与えてくれるので、
更に相乗効果が見られるのではないでしょうか。
呼吸系にもいい作用を示すと言われます。
呼吸が整うと自律神経も安定します。

また、フランキンセンスは、
右脳を刺激するとも言われます。
現代人は左脳を多く使う仕事に偏っていると言われるので、
働きすぎの脳を休めるのにもいいようですね。

ひと頃、フランキンセンスは、プチブームになりましたが、
香りとして使用してみるのもいいかもしれません。
これからの季節、喉のケアなどにもおすすめです!

アロマな香木

今日はアロマの話です。
天皇が即位された記念に
上野の博物館で、記念の特別展示があるようですね。

そこで、
「正倉院の宝物」で思い出したのが、
「蘭奢待」(らんじゃたい)という香木。
天皇の許可がなければ見る事すらできないという
とても貴重な香木。

香木は、削って焚くといい香りがするものですが、
歴史は古く「日本書紀」にも記されているそうです。

その香木は水に沈むことから「沈香」と呼ばれ
珍重されてきたと言います。
(「蘭奢待」と、聖武天皇が命名したそうです)

元は、仏教でお経を唱える時に香を焚き辺りに香らせ邪気を払っていたそうで、
西洋でも同じような意味合いでミサの時に精油を香らせています。

(ミルラやフランキンセンス(精油)は黄金と一緒にキリスト誕生に送られたと聖書にしるされています。)
神聖な儀式に付き物のようですが植物の香りの成分から考えると他にもちゃんとした意味をもつように思われます。
寺院や教会といった人が多く集まる所では感染症予防の意味でも、
植物の持つ、殺菌作用や、抗菌作用も必要としたように思います。
それに、
多くの人が神にすがり、祈りをささげるには
やはり、多くの悩みがあった為でありその心を癒すのにも
(香木にも、精油にも同じように含まれる)
植物が持つ心を安定させる癒しの作用を用いたものではないかと思います。
鎮静や強壮と言った心を和やかに強くする作用を、
感じとっていたのではないでしょうか

話を戻して・・・
香木を仏教で使用した時代から、平安の頃には、
香りその物を楽しむ文化として貴族社会で流行ったようです。
練香として、いくつもの香りを組み合わせオリジナルな香りを調合し、
文や衣や髪に香らせていたそうです。

武士の時代になると香木そのものの香りを楽しみ
(産地の違いによる)香りの違いを比べるようになり「香道」が生まれ、
香道は、香りの組み合わせをあてたり古典や故事などに例えるなど
文学性も精神性も必要とし、武家のたしなみとして広まったそうです。

時の権力者は香木を求め、時には香木をめぐって血が流れたこともあったとか・・・
そして、正倉院に収められた「蘭奢待」ですが、800年以上前から保管され、
これまでに切り取った人は、
足利義政、織田信長、明治天皇の3人と言われています。

沈香の成分が50%を超える香木を伽羅と呼ばれベトナム産は質が良く効果であるようです。
調べたところ、ベトナムは黴が生えやすい環境(ある程度の温度と多湿)の為、
身を守る為に樹液がカビに対抗させるために進化したのではと思われます。
ベトナム特有のカビが香りに影響しているのではと思えるのですが・・・

沈香はジンチョウゲ科の木で、木そのものが香る訳ではなく、
風雨や病気、病害虫により傷がつくことにより
その傷を何とか修復しようと樹液を分泌し、
そして、長い期間に地中で、その樹脂が染み出してたことで、
香りを放つようになるそうですが、詳しいメカニズムはまだ謎のようです。

フランキンセンスも樹液が結晶化してそれを蒸留精製したものが精油になります。
フランキンセンスは鎮痛、沈静、殺菌、抗ウイルスの作用を示します。
沈香も同じく自らを守る為に分泌した成分なので樹脂には殺菌作用を含む成分が含まれると考えられ、
実際、沈香の香り成分を調べるとセスキテルペン系なので、
鎮静、殺菌、抗菌作用を示すようです。高価なため用途としては香りとして珍重されるようですが・・・

この「蘭奢待」正倉院展では14年ぶりの展示という事です。
興味がある方は見に行かれてはいかがでしょうか。
(教科書でもおなじみの)螺鈿で装飾された琵琶も見てみたいですね。

御即位記念特別展「正倉院の世界ー皇室がまもり伝えた美ー」

会期:2019年10月14日〜11月24日
会場:東京国立博物館 平成館